フランス通信

 
* 7月に ( AU MOIS DE JUILLET )

日本の梅雨はもう明けたでしょうか。こちらに“梅雨”はありませんが、このところ雨模様のはっきりしない天気が続き、天気予報でも“モッサード(maussade 鬱陶しい)”という言葉がしばしば使われています。アジサイ南仏では季節並みの夏を迎えたようですが、パリは日中でも気温20℃前後の日が多く、家の中でも、外出にも一体何を着たらよいのか迷います。雨で空気が湿った所為でしょうか、景色に見る木々はいつにも無くうっそうと繁り、緑が濃く感じられ、むせる様な青臭い大気でしたが、午後ともなれば菩提樹(le tilleul)の花のほんのりと柔らかな香りと、紅く青く紫陽花が心を癒して呉れます。そして七夕祭の頃から、突然の様に日差しも強くなって気温も上がり、漸く季節並みの夏が来たように感じられます。夏休み中はデモもストもお休み、平穏と云える雰囲気の中に、観光客の話す外国語が賑やかに聞こえてきます。

* バカロレア(大学入学資格試験)(le baccalaureat) : 通称“バック”(le bac)

今年度の試験結果の発表(la publication des resultats)が7月5日に行われ、文科、理工科等全国80万人近い受験者の中79,6%が合格するという好成績、合格者(les bacheliers)には親子で合格したリヨン在住のチュレワさん父子、総合20点満点を超えて21,22点で記録を更新したロワール県の高校生エミリー・ローランさん等々が話題になりました。

* 夏休み(les vacances d’ ete, les grandes vacances)

学校は7月6日から8月31日迄全国一斉に夏休みに入ります。しかし“夏休みの宿題”というものは無いそうです。

* 夏のソルド(Soldes d’ ete)

夏物一掃大売出し”は8月2日迄全商品20%から50%割引販売。デパートも店により場所により日曜日もオープン。

* ビニール袋使用禁止(Adieu, sac plastique)

朝市やスーパーでの買い物に果物・野菜・魚・肉などの商品を入れてくれる白や青の半透明の袋は、7月1日から公害防止の為に使用が禁止となりました。魚屋さんなど又新聞紙に包んでくれるのでしょうか。

* 旧型車輌の通行制限(les restrictions de circulation pour les vehicules les plus anciens)

7月1日より登録証(la carte grise)に記された初走行年月日が1997年1月以前の乗用車、1997年10月以前の貨物車、1999年6月以前のモーターバイクは、公害防止(la chasse a la pollution)の為に、月曜日から金曜日の08時00から20時00の間、外周道路(le boulevard peripherique)、ブローニュとヴァンセンヌの森を除くパリ市内の走行・乗り入れが禁止されました。但し、救急車、パトカー等の緊急車(les vehicules prioritaires)及び市内観光用に使用のシトロエン2CVはその限りではないそうです。今年の10月迄は注意のみで罰則なし、それ以降は35ユーロ、来年は68ユーロの罰金が科せられます。(我が愛車も古く、恐る恐る登録証を見ましたら、初走行日(la date de 1er mise en circulation)は“1997年5月”、危ういところでセーフでした。)

* ジャパン・エキスポ(Japan Expo)

 今年第17回目を迎えた日本のエンターテイメントの祭典、毎回25万人もの入場者を数える“ジャパン・エキスポ”は7月7日から10日迄、パリ・ノール・ヴィルパント展示会場で開催され、若い人達ばかりか年配の人までマンガやテレビゲームの主人公を真似た手作りの装いで“コスプレ”(le cosplay : les deguisements en heros de mangas et de jeux video) を楽しみ、コンクールに参加、マンガは勿論、書籍や小物、スナック、各種の案内等のスタンドが並び、歌や踊り、古武道や習字の実演、紹介などで賑わっています。

* 日夜開園のパリ市内9公園(l’ ouverture de 9 grands parcs nuit et jour)

安全、犯罪、衛生、照明、自然保護、、、、多くの問題から賛否両論のうちに検討が進められた結果、パリ市は夏休み中9月3日迄の毎日昼夜24時間、市内のモンスーリ、ビュット・ショーモン、アンドレ・シトロエン等9ヶ所の公園を開放することを決定しました。それなりに警備パトロールを強化、度々のゴミ集めも予定されているとのこと、酷暑の夜間などは格好の憩いの場所となるでしょう。

* トゥ-ル・ド・フランス(le Tour de France)

恒例の自転車ロード・レース、103回を迎えた今年も世界中から198人の選手が参加して7月2日モン・サン・ミシェルを出発、ピレネやアルプスの山岳コースを含む全行程3519㎞を競い、7月24日パリに至り、シャンゼリゼを8周してゴールします。日本でもTV中継をしているとか、緑の森、城館、遺跡、牛や羊の群れ、ブドウ畑、、、、コース上の思わぬ美しい眺めに、行ってみたい旅の欲求にかられます。

*ヴィレット野外映画祭(Festival de cinema en plein air de la Villette)

開催25年目、恒例の夏の夜の野外映画祭は7月13日から8月21日迄、月、火曜を除く毎夜日没時から始まります。例えば7月23日“スター・トレック”、27日“竹取物語”、8月7日“バットマン”、19日“乱”、21日最終日は“ロシュフォールの恋人達”等々、入場無料です。Parc de la Villette, Prairie du Triangle, Paris 19e, メトロPorte de Pantin下車。

* パリ祭(Le Quatorze Juillet, Fete Nationale)

日本語では“パリ祭”となっていますが、当 地では普通“ル・カトールズ・ジュイエ”と唯一日付で呼ぶ祭日です。1789年バスチーユの牢獄から政治犯を釈放、当時の王様ルイ16世と王妃マリー・アントワネットを追い出したフランス革命を記念して“革命記念日”とか“独立記念日”とも呼ばれています。前夜は消防署各所で催されるダンスパーティーが評判、14日当日はパリの舞台シャンゼリゼ大通りで軍隊、警察、消防隊、各種士官学校が凱旋門からコンコルド広場へ行進、戦車、軍用車等の特殊車両が続き、戦闘機やヘリコプターも上空を飛び、大統領、各閣僚、賓客の前に大パレードを繰り広げます。夜はシャン・ド・マルスにてフランス国立管弦楽団がコーラスを伴っての音楽会、23時からは3色にライトアップしたエッフェル塔をバックに大花火大会が催されます。好天が期待されます。

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2016年7月10日 Saint Ulrich:日の出5時58分・日の入21時52分     Euroサッカー決勝戦はフランス対ポルトガル、トゥール・ド・フランスはピレネ越えてアンドラへ
パリ朝夕19℃/日中30℃晴天、ニース22/29℃晴天、ストラスブール15/33℃晴天     よい夏休みを!  菅 佳夫

天為俳句会
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