11月11日(金) 晴 集 合:地下鉄八丁堀駅・桜川公園集合
吟行地:鉄砲州稲荷神社・ミズノプリンティングミュージアム
昼 食:躍金楼
佐藤博子 文責
☆福永 法弘先生をお迎えして☆
参加者 : 西脇はま子、天野小石、芥ゆかり、内村恭子、武井典子、河野伊葉、原道代、榑林匠子、
鈴木 楓、山根眞五、岡部博行、岡崎志昴女、樋口由美子、永井玲子、荒尾保一、
相沢恵美子、三好万記子、金子 肇、宮川陽子、熊谷幸子、
幹 事 : 佐藤律子・佐藤博子
句 会 : 投句・・5句 選句・・5句
十一月十一日十時、八丁堀の桜川公園に総勢二十三名集合。江戸の与力・同心の屋敷町だった八丁堀も、今は高層マンションが建ち並ぶ。雲一つない冬晴れの下、鉄砲洲稲荷神社へ。江戸の海の玄関口にあり、多くの船乗りから崇敬された神社はこぢんまりとしているが、富士塚、火消し桶、落葉など句材に不足はない。 ついでミズノプリンティングミュージアムへ。オーナーの水野氏より印刷と人類の関係史の説明を頂いた後、世界最古の印刷物、法隆寺の陀経文尼経文を初め、グーテンベルクの聖書、二百年前の印刷機など、貴重な展示物を間近で見せて頂く。 昼食は創業明治六年という割烹曜金楼。大女将のお出迎えも嬉しく、若女将のご案内で、創業当時は金波も見えたという2階へ上る。お料理もさることながらお店も描かれている錦絵の説明をして頂いたり・・・。コロナ対策の衝立越しの控え目な会話ではあるが、あっという間に一時間は過ぎ、句会場へと急ぐ。 句会では丁寧な選評と、字余りの扱いについても、ご教授頂き充実した一日を過ごし、散会となった。 |
中央区まちかど展示館 ホームページ (今回参考にさせて頂いた中央区のサイトです)
https://chuoku-machikadotenjikan.jp/
◆【鉄砲州稲荷神社】 http://www.teppozujinja.or.jp/
◆【ミズノプリンティングミュージアム】 https://www.mizunopritech.co.jp/mpm/
◆【割烹 躍金楼】 https://www.tekkinro.com/
次回の吟行句会でお会い出来ることを、楽しみにしています。 (幹事:律子・博子)
福永 法弘作品 葉ぼたんや印刷史即人類史 照る陰る壁面緑化紅葉づりて 富士塚を囲むアパート蒲団干す 二の酉や火消し「す組」の防火桶 冬麗や金波の躍る鉄砲洲 |
西脇 はま子 居留地の跡犬枇杷の実のたわわ 神の旅まづ富士塚を一巡り |
天野 小石 羊皮紙に鳥舞ふ美書や冬ぬくし 居留地のチャペル遠見に枯葉舞ふ |
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芥 ゆかり 柳散る角に開化の躍金楼 冬日差す鉄の活字の凹凸に |
内村 恭子 冬の日のやさし羊皮紙の五線譜に 活版に千年の時暦果つ |
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武井 典子 パピルスの黄ばみ冬めく印刷館 チョーサーの古書美しき秋夕日 |
河野 伊葉 黄落に命脈しづめ力石 首傾ぐ狛犬の阿に小春入る |
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鈴木 楓 小鳥来るラテン聖書の花絵柄 天高し居留地跡の印刷所 |
岡崎志昴女 江戸探す八丁堀の小春かな パン屋の車おやつ時間の路地小春 |
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山根 眞五 世が世なら与力同心冬ざるる 京橋の産土神や寒の入り |
岡部 博行 印刷は時の旅人鳥渡る 初冬や玄(くろ)の凝れる印刷機 |
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原 道代 豆本やルーペ覗きて冬来る 日向ぼこ鉄砲洲社の尊徳像 |
槫林 匠子 実南天持ち上げてみる力石 印刷機鷲を錘に冬ぬくし |
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樋口由美子 生成社の屋根てふ屋根へ落葉積む 虫眼鏡据ゑる豆本冬うらら |
永井 玲子 厄年表六十までと枇杷の花 ご自慢のプリントタイの秋めけり |
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荒尾 保一 同心も仰ぎし銀杏黄葉かな わが頭上蜻蛉のとまり日向ぼこ |
相沢恵美子 アルビオンプレス世界遺産や冬の天 躍金楼の海老天の反り冬日射 |
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宮川 陽子 羊皮紙に楽譜の弾む秋の昼 冬青空耳にやさしく降る落葉 |
三好万記子 ビルの中インクの香る小六月 風格の女将の背なや冬柳 |
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金子 肇 富士塚の粗き溶岩小六月 冬吟行江戸の同心住みし町 |
熊谷 幸子 間口半間栗羊羹の良く売れて 厄年はとうの昔や神迎へ |
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佐藤 律子 鉄舟の名付けの老舗冬やなぎ 陀羅尼経文字の擦れや今朝の冬 |
佐藤 博子 神立ちて金波銀波の江戸湊 敦煌の印仏千体観る四温 |
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以上 |