2月28日(火)晴 [吟行地] 地下鉄江戸川橋より江戸川公園・肥後細川庭園・永青文庫etc
佐藤博子 文責
☆日原 傳 先生をお迎えして☆
参加者 : 西脇はま子、明隅礼子、芥 ゆかり、内村恭子、鈴木 楓、山根眞五、荒木那智子
須田真弓、松山芳彦、原 道代、榑林 匠子、岡部 博行、岡崎 志昴女、河野伊葉
荒尾保一、相沢恵美子、金子 肇、山本純夫
幹 事 : 佐藤律子・佐藤博子
句 会 : 投句・・5句 選句・・7句
2月28日、雲一つなく4月中旬の暖かさという日、総勢21名が、江戸川橋公園に集う。肥後細川庭園までは神田川左岸の遊歩道を15分ほど。散策する人が多い。満開の河津桜が1本あり、目白が群れて蜜を吸っている。やがて芭蕉庵。若き日の芭蕉はここらあたりの神田上水の改修工事を監督していたという。芭蕉庵の先には水神を祀る水神社。そして肥後細川庭園。 庭園は、細川家の下屋敷跡を整備した池泉回遊式庭園で、手入れが行き届いている。特に池の周りの7本の松に施された円錐形の雪吊がみごと。 五分咲き程度だろうか大きな枝垂れの白梅も1本。
庭園の背後の台地には永青文庫があり、「細川の名刀展」を開催中。細川幽斎が所持していた「古今伝授行平」という国宝を初め、精巧に彫られた鍔などを見ることが出来た。細川藩の学問所でもあった松聲閣の一室で句会。充実した一日を感謝しつつ4時に終了。 |
ご参加出来なかった方も、ご一緒に吟行している気分で句会報をお楽しみ下さると幸いです。 (幹事:律子・博子)
日原 傳作品 |
明隅 礼子 雪吊を解くや婚の日近づきぬ 春の闇古今伝授の太刀の間に |
西脇 はま子 恋の猫胸突坂をかけ上がり 鳥雲に松聲閣は学問所 |
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荒木 那智子 土やさし肥後芍薬の芽の萌ゆる 鳥帰る江戸川河畔里程標 |
内村 恭子 蝶生まる前世に殿様の記憶 春浅し古木の守る罔象女(みずはのめ) |
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須田 真弓 雪吊の解かるるを待つ肥後庭園 肥後屋敷松風に開く春障子 |
芥 ゆかり 雪吊の水かげろふに緩び初む 遣り水の磨く小石や風光る |
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鈴木 楓 雪吊にひかり遍く二月尽 花さくや桜九曜の透鐔 |
松山 芳彦 料峭の山鹿灯籠紙細工 紙雛の幽かに聞ゆる息遣ひ |
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荒尾 保一 飛石の秘めし光陰下萌ふる 雪吊の縄のさやぎや二月尽 |
原 道代 大樹二本春風抜ける水神社 一休橋渡る真中の春の空 |
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槫林 匠子 胸突坂一気にあぐる春の風 江戸川橋端に売らるる蕗の薹 |
河野 伊葉 梅枝垂る池泉あかりの学問所 春林の吐息は池に下屋敷 |
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金子 肇 堰跡に蕉翁しのぶ春の川 小鳥群るる河津桜に人も群れ |
山根 眞五 献上の金(かな)灯籠や山鹿より 梅東風や永き名家の九曜紋 |
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相沢 恵美子 ふらここや樹下深海のごと漕ぎて 水門に影を落して木々芽吹く |
岡部 博行 翳りなき天より垂(しだ)る梅真白 江戸の名をとどめゆるりと春の川 |
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岡崎 志昴女 行平(ゆきひら)の太刀美しき春寒し 神木の根やたくましくかぎろへる |
山本 純夫 細川の男子面長樫芽吹く 日向へと勢ふ泳ぎや残る鴨 |
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佐藤 律子 打ち掛けの色は朱の色風光る 地虫出づ胸突坂を真つ逆さま |
佐藤 博子 庭園の土橋石橋鳥の恋 まだ吊られある雪吊や二月尽 |
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以上 |
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