天為ネット句会報2026年6月

 

天為インターネット句会2026年6月分選句結果

 ※特選句、入選句内の順番は互選点、句稿番号の順。
  また互選句は句稿番号順に並べております。

  <福永法弘同人会会長選 特選句>

卯波たつ流人の島の名もなき碑                中村 光男

今は名も残っていない人であっても、碑を建てた当時には、周囲から惜しまれた人だったのだろう。物語性のある句。(法弘)

佐渡か八丈島か、隠岐の島?罪人の石碑があるのは時の偉人? (郁文)

上五と下五の取り合わせが相応しく流人の墓の哀愁を感じます。(相・恵美子)

陽子、史子、真弓、楓

雲流れ植田に映える会津富士                 合田 智子

会津富士とは磐梯山のこと。笹に黄金が舞い踊る宝の山である。そのめでたい山を映して今、植え終えたばかりの田が豊かに広がる。(法弘)

道代

  <福永法弘同人会会長選 入選句>

梯梧咲く赤き炎のひめゆり忌                松山 芳彦

沖縄戦の悲惨さを思えば言葉もない。(法弘)

赤き炎・・・。(肇)

沖縄の青空に映える赤い梯梧。かっての戦火にも見え・・・合掌。(博子)

赤き炎 がいいと思います。(百り子)

楓、道代、三枝子

柚の花や葬の家より嬰の声                 金山 哲雄

生き代わり、死に代わる人の世。(法弘)

人は死ぬ。出棺の準備をしている古き家の奥から赤ん坊が泣く。短い出会いに泣く声か。天寿に黙祷。(茂喜)

一家の入れ替わり~とよく聞かされました。悲しみの中に未来へと紡がれていく、白い花が効いている(憲史)

博嗣、那智子

麦秋の穂波ゆたかに吉野ヶ里                嶋田 夏江

吉野ヶ里は昔も今も、豊かな実りの地だったのだろう。(法弘)

穂波ゆたかにと詠んだところ、吉野の里らしくて情景が見えて良い。(芳彦)

福岡県民は、邪馬台国と信じて疑わない吉野ヶ里。歴史のロマンを感じます。(博子)

楓、澄江

薫風や母の帽子の花飾り                  野口 日記

若やぎ、華やぐ母。(法弘)

華やかな帽子姿の母。花飾りが薫風を受けてうけて絵のようです。(ユリ子)

澄江

汗ばめる衣紋のぬきの深さかな               芥 ゆかり

衣紋を抜きすぎると水商売っぽくて下品に見える。が、この暑さではそうも言ってられない。(法弘)

素敵です。何かあの個人的には、白石聖さんとか…失礼いたしました。(正規)

汗ばんだ衣紋の貫きの深さなどを詠んだなど粋に感じます。(芳彦)

尾鰭めく水脈や琵琶湖の夏に入る              須田 真弓

ネス湖にネッシー。琵琶湖だとビッシー? ユーモアとロマンがある句。(法弘)

夏の朝、鯉や鮒の乗込む水脈の盛上りに想像を巡らせられる句 余慶

高齢者運転講習サングラス                 土屋 尚

年寄り扱いするなとばかりに、サングラスで武装。(法弘)

蔦茂る運河の街のカフェテラス               中川 手鞠

小樽のような西洋風の町。(法弘)

老鶯のこゑ遥かより頭上より                小栗 百り子

元気よく、あちこち飛び回って鳴いている。(法弘)

梅雨深し関守石の朽ちし縄                 鈴木 楓

結界を示す関守石だが、くくってる縄が朽ちていては、結界の役を十分に果たせてはいないのかもしれない。(法弘)

  <互 選 句>

新樹光暗闇坂の上と下                   岡部 博行

暗闇坂の上と下、双方の光の情景(敏晴)

行く春の背をとほく追ふ猫の伸び              芳太郎

季節の移りに敏感な生き物たちの動きを 猫の背伸びを上手に使われていらっしゃる。美惠

猫の伸びは須く「とほく追う」雰囲気ですね(敏晴)

猫の描写を良く詠まれています  (幸子)

ウルトラマンの揃ふ指先チューリップ            木村 史子

ウルトラマンとかわいいチューリップの取り合わせが新鮮。(ユリ子)

区役所の戸籍係の半ズボン                 鳩 泰一

先取りがよろしいですね。どんどん暑くなる世の中ですから。(正規)

半ズボンの若き市職員がてきぱきと対応しているのだろう。小生は小中学生のとき以来履いたことがない。(茂喜)

お役所の衣がえですね。アロハシャツにはだいぶなれましたが、が、戸籍係の半ズボンにはびっくりです。ご先祖様も苦笑いしています。玲子

立哉、香誉子

稚児行列終へて小店の夏蜜柑                町田 博嗣

初夏の稚児行列と爽やかな夏蜜柑がぴったりだと思いました(美穂)

行列に参加した子ども達への労いの夏蜜柑でしょうか。(春野)

神ラーへ靡ける青鷺の冠羽                 小池 澄子

秀平

薔薇の門抜けてアリスのお茶会へ              佐藤 律子

甘い香りで人を誘う薔薇の門は異世界への入り口。ファンタジー溢れる楽しい句。(博行)

道代、由紀子、手鞠

カルミアの金平糖に似たる花                岡田 寿恵

一つ一つ花が開いていく様と金平糖を口の中で転がしている様が何となく通じるような……(律子)

カルミアの花は金平糖のよう。つんつんと角があって。はま子

五月来る大型バスとライダーと               伊藤 正規

五月の大型連休は大型バスとライダーが大活躍(美穂)

緑蔭のベンチに本の忘れ物                 相沢 恵美子

陽子

塗替へし真白き壁や蛞蝓                  上脇 立哉

守宮と同じく縁起が良さそう。ふみ

恭子、芳太郎、順一

真砂女なき安房の国なり卯月波               熊谷 佳久子

志昴女

緋襷の壺に路傍の姫女苑                  鈴木 楓

純夫、由紀子

馬鈴薯の花白き街家出して                 内村 恭子

馬鈴薯という素朴な花であるだけに、白さが青春の熱情をより鮮明に表現していると思いました。うつくしい。(ユリ子)

芳太郎

夕刊の軽き湿りも走り梅雨                 金山 哲雄

「軽き湿り」に感心(敏晴)

季節をとらえる繊細な感覚。(肇)

軽き湿りに梅雨が始まる気配や夕刊の薄さが感じられる(ゆかり)

「軽き湿り」に本格的な梅雨の到来を予感する。(泰一)

夕刊のカルキ湿りもの軽きが良いと思いました 余慶

朋子、恭子、尚、芳太郎

部屋干しのジーンズ眺め梅雨に入る             福田 誠治

梅雨入りと共に部屋干しの機会が増える。愛用のジーンズを眺めながらため息も増える(智子)

とりわけ乾きの悪いデニム、雨の日の部屋干しの光景がうかぶ。梅雨の季節はなおさらですね。ふみ

立哉

夏はじめゴッホは今も無精ひげ               永井 玲子

大ゴツホ展が上野で開催されている。やっと予約がとれる程大盛況です。会場でよく確認してきましょう!(郁文)

蛍舞ふ流離の里の深き闇                  松山 芳彦

流離の里の闇の中に蛍火、ほっとする瞬間に何か不安の中に安堵感を見る、鎮魂とも。余慶

流離の里は隠岐島でしょうか?有馬先生とご一緒させて頂きそこで見た姫蛍の乱舞は、それはそれは見事でした(智子)

はつらつと八金の嫁初かつを                おしおいけ

如何にも高知の元気な女性を感じさせ、生きの良い初かつをです。(博美)

上がったばかりの鰹のように生きの良い土佐女。姑にも負けない。(肇)

「は」の韻の妙が効いていますね。(哲雄)

高知県在住の勝ち気なお嫁さん。「は」の頭韻と「はつらつと」が初夏らしく、季語を引き立てていると思います。(澄子)

は、は、は、と続くリズム感にやられました!(律子)

香誉子

朝茶かな軸に墨濃き鍾馗髯                 斎川 玲奈

魔を祓い病を癒す縁起の良い鍾馗様の軸を床の間に掛けて、その日の難を逃れると言う朝茶を頂いている(勢津子)

香水のミツコの封は切らぬまま               西脇 はま子

意味深なる連想の膨らむ句です。(郁文)

こんな句作ってみたい(みつ子)

百り子

小さめの薄皮あんぱん新茶汲む               榑林 匠子

まさに至福のひと時ですね。(泰一)

朋子

不揃ひの椅子置かれをり誘蛾灯               上脇 立哉

史子、春野

YOSHIKI弾くピアノ夕立に濡れてなほ            内村 恭子

ピアノ大好きです(みつ子)

野外音楽ステージでしょうか。夕立に濡れ狂った様にピアノを弾くYOSHIKIにファンも熱狂。はま子

蛍火を掬へばひとつ星こぼる                中川 雅司

ひとつ星こぼるという措辞、なんとも詩的ですね。(光男)

ポエジー溢れる句ですね(早・恵美子)

真弓、純夫、百り子

さざ波のくすぐる入江初夏の月               郁文

さざ波が入り江をくすぐるとは言い得て妙。(泰一)

くすぐる入江とは上手に詠まれています  (幸子)

伊葉

外灯下守宮の糞を見つけたり                嶋田 夏江

ヤモリの糞にテンションが上がった理由をあれこれ考えていると、楽しくなりました。(誠治)

抱きあげし子の肩越しのおぼろ月              芳太郎

香誉子

革命のはじめはいつも緑蔭に                明隅 礼子

意味深ですね。   (幸子)

匠子

草笛や鴉の鳴ける雨の日に                 鹿志村 余慶

寂しさが心に凍みました 。美惠

シャーベット庭の山椒の葉を添へて             金子 肇

山椒の葉の爽やかな香りでシャーベットの味が引き立ちますね。(相・恵美子)

秀平

担ぎ手の褪せし法被に汗の塩                郁文

陽子、芳彦、手鞠

体操の我を見てゐる子猫かな                土屋 尚

体操をしている作者を追っている子猫の表情が想像され面白味があります。(相・恵美子)

日記

稲咲いて神への道の開かるる                熊谷 幸子

一面の稲の花の景を「神への道」と捉えたのは見事。(哲雄)

猫足の鏡台真紅の薔薇一輪                 石川 由紀子

猫足の鏡台、ロココ風の素敵なもの、それに深紅の薔薇が一輪おかれている。ルノワールの絵のようだ。(光男)

夏燕風の形をなぞり飛び                  児島 春野

「風のかたちをなぞる」きれいな表現と思いました。美惠

夏空を軽やかな曲線を描いて飛ぶ燕の姿を中七下五で活写している。観察力と描写力に脱帽。(博行)

風の形をなぞり飛びという措辞で夏燕の元気のよい飛翔姿が浮んで来る。(光男)

史子、雅司

翼竜のすべらかな骨五月の風                木村 史子

堂々たる翼竜の姿が思い浮かびます。はま子

志昴女、順一

夏めくや能登の大空朱鷺放つ                合田 智子

春野、澄江

匂ひ立つげんげ鋤込むトラクター              今井 温子

田植えに備え緑肥の紫雲英を鋤きこんでいる(勢津子)

春しぐれ素木能面粗彫りに                 牧野 桂一

春しぐれの明るさと粗彫りの荒さが良いと思います。(博美)

那智子

地芝居の子殺しの段割愛す                 おしおいけ

恭子

山滴る占ふ天気靴なげて                  宮川 陽子

靴投げてよくやりました(みつ子)

生命力溢れる夏山到来!明日は山開きの祭典か(憲史)

中将の面の眉間業平忌                   長岡 ふみ

純夫

白南風やシャガールの馬空を飛ぶ              中島 敏晴

軽やかな色彩のシャガールの絵と白南風の取合せが意外かつ納得感がある。新しい発見の句。(博行)

四万十を華やかに染め鯉幟                 井上 澄江

川が染まるほどの鯉幟きれいな川で鯉幟もしあわせですね。(伊葉)

いつもは静かな沈下橋のある四万十川、鯉幟が風に揺れて明るい五月の景に。(佳久子)

三枝子、日記

もう一人の私がゐるサングラス               荒木 那智子

眼は口ほどにものをいう サングラスで目を覆うことで気持ちも被い別の表現者になれる?(勢津子)

自分ではないもう一人の自分に変身する。サングラスが効いていますね(智子)

サングラスをかける時、一瞬同じことを感じる。ふみ

朋子

見上ぐれば庭師の腰に蚊遣かな               金子 肇

高い所で作業している庭師の腰に蚊遣を発見。「見上ぐれば」が良いと思います。(澄子)

掌に繭の息づく気配あり                  相沢 恵美子

掌に繭をのせたら、繭が息づく気配を感じたとは、感心した俳句でした。(佳久子)

掌に感じる息づかい、その繊細なさまに生きとし生けるものすべてへの心持ちを感じました(律子)

夏江、尚、手鞠

ジュラ紀より伊予の青石夏の雨               芥 ゆかり

夏の雨に濡れた青石(緑泥片岩)の色(青緑)が目に浮かびます。(哲雄)

真弓、博嗣、匠子

柿の花軍手を洗ふ準備して                 石川 順一

摘果の準備でしょうか。山裾の大きな萱葺き屋根が浮かびました。(誠治)

夏燕グーグルマップの遠まはり               榑林 匠子

人間なら最短コースを選ぶのに(憲史)

雅司、伊葉

野の花を窓辺に活けて聖五月                森野 美穂

さり気なく窓辺に飾った野の花が、聖五月の清々しさを引き立てていると思います。(澄子)

秩父嶺を雲の奔るや聖五月                 中川 雅司

玲子

父祖の地の林檎の花と千曲川                岡崎 志昴女

情景が良く見えます(早・恵美子)

千曲川のほとりに育ち、今は都会で働いているのだろう。父母の顔を見て林檎の花を見つめる。(茂喜)

夏めくや鳥の声する信号機                 中島 敏晴

鳥の声、気持ち良いだろうなと感じます(美穂)

夜のとばり纏ひて烏瓜の花                 阿部 朋子

子どもの頃、ニワトリ小屋に烏瓜の花が咲いていました烏瓜の花と知ったのは大人になってからです、妖しく美しい花ですね(夏江)

三枝子、尚

溜池をすべり来る風花菖蒲                 竹田 正明

博嗣

白牡丹盛り過ぐれば半額に                 染葉 三枝子

順一

また一つ重ねる齢花は葉に                 岡部 博行

夏江

田の神に幣奉る芒種かな                  西脇 はま子

那智子、志昴女

あてもなくよぎるひとびと時計草              明隅 礼子

秀平

ぶた降つてくるてふ童話ラムネ玉              佐藤 博子

瓶に残るラムネ玉の不思議。と、子供たちの頭の中に残る「ぶたさん」のお話の不思議。読んでみよ。(正規)

豚が降ってくるという印象的なフレーズに惹かれた。ラムネ瓶の玉も句の雰囲気に合っている(ゆかり)

立哉、匠子

今生は長し短し七変化                   岡崎 志昴女

長いようで短い人生を語っているような「七変化」です。(博美)

由紀子、玲子

天神橋は商んどの橋夏の鯔                 今井 温子

江戸時代、幕府直轄の大坂町奉行はありましたが、実際の行政は町人による惣会所に任されていました。往時の天満・堂島の賑わいや、昭和にかけての庶民の生活感を感じました。(誠治)

ルート66道の終はりの花梯梧               髙橋 紀美子

昔山Pがシカゴ-サンタモニカを走破する番組を見て憧れた。終着点の海や空の青さに梯梧の赤が映えることだろう(ゆかり)

西海岸まで出られたのですか?あの道大変でしたでしょう?(早・恵美子)

お隣は更地になりぬ蚊喰鳥                 井上 澄江

更地になったお隣に蝙蝠が飛び交って、ますます淋しい光景に。(佳久子)

風に散る藤はピエタのなげく如               小池 澄子

雅司

空海の池麦秋の中に湧く                  合田 憲史

昔の逸話には驚くばかり。東密の真骨頂の句に惹かれました。(博子)

日記

以上

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