天為の当面の対応について
有馬先生が逝去され、天為の会員の方々は深い悲しみの中におられることと思います。しかしながら、有馬先生の偉大な業績は俳壇のみならず、広範な分野にわたり、多くの方々から有馬先生の偉業を偲ぶ声が寄せられているところであります。
有馬ひろこ副主宰は健やかにお過ごしですが、有馬先生の代わりを務めるには難しい御健康の状態にあります。このような状況において天為の同人、会員の方々には急逝された有馬先生の御功績を後世に伝え、それを基に俳句の発展に貢献し、かつそれぞれの方々が、俳人として更なる発展を遂げてゆくことが求められているところであります。
先生は天為の発展のための多角的な長期展望をお持ちであり、まさか急逝されるとはお考えになっておられなかったので、まだまだ現役で我々を指導する強い思いをお持ちでありました。そのようなことを踏まえ、当面は先生の敷かれた現在の体制を存続させ、天為同人、会員の方々が一致団結して事業を遂行し、新しい天為の在り方を模索してゆくことが必要となります。
天為同人は有馬先生の厳しい指導の下に長い俳歴を有し、天為は一家をなす俳人が多数存在する集団であります。先生亡き後、天心集を改革し、同人同士切磋琢磨し、高度な相互批評を通じて天為の俳句を世に問うてゆくことを可能にする必要があり、そのための場である天心粲花を抜本的に充実させることが急務であります。
同人を目指す、会員の方々の指導も充実させる必要があります。有馬先生は、生前三名の無鑑査同人を推挙されました。対馬康子天為最高顧問、福永法弘天為同人会会長、大屋達治初代天為編集長であります。この三名の無鑑査同人の方々の全面的協力のもと、会員の修練の場の基本である天為集の選に当たっていただきたいと思います。さらにこの三名の方のご推薦により、天為集を一層充実、強化するために日原傳編集顧問を新たに加えたいと考えます。そのほかに同人を目指すための修練の場である課題句は西村我尼吾が担当いたします。また天野小石編集長にも引き続き編集の重責をお願いします。各支部におかれましてもご理解ご協力をお願い申し上げます。
俳壇からも切望されている有馬先生のお別れ会については、開催の方向で検討しております。 時期については、現状を鑑みますと秋以降になる予定です。
以上天為の運営に対する当面の対応について天為事務局長としての方針を示します。
二〇二一年一月一日
天為事務局長 西村我尼吾